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【頚部疾患で最も多い頚椎症(けいついしょう)について】
(2003/04/17)
中高年に多く見られ首の痛みや、手足のシビレや歩行障害で発症することの多い頚椎症についてお話します。
椎間板に加齢による変性がおこると、周囲の弱い部分から椎間板の内容物などが出たものが椎間板ヘルニアです。椎間板に変性が進み上下の頚椎が異常に動くようになると、脊髄や神経根の前方にある椎体や後方にある椎間関節にトゲのような骨(骨棘、こつきょく)ができます。このような状態を頚椎症と呼びます。このできた骨棘に神経根や脊髄が圧迫されることにより症状が出現します。この頚椎症性変化は、50歳代以降の人に見られ高齢化とともに高頻度に出現します。
●症状
初期の症状としては頚部の後ろの痛み、肩甲骨周囲や背なかの痛み、不快感が出現します。
症状が進行し脊髄から出る神経(神経根)が圧迫されると、片方の腕や手のシビレ感や疼痛が出現します。痛みが首から腕や手へ走る激しい放散痛で発症することも多いようです。次第に筋力低下へと進み、放置すると筋萎縮(筋肉のやせ)が出現します。例えば手足がジンジンする、ボタンのはめはずしができなくなった、箸が使いにくくなった、階段が降りにくく手すりが必要になった、速く歩くと足先が引っかかる、足に突っ張り感があって平地でも歩きにくくなった等の症状です。
進行すると膀胱機能障害が出現します。これは、頻繁にトイレに行きたくなったり、排尿に時間がかかったり、尿意をがまんできない、等の症状です。
その他に、まれに椎骨動脈が骨棘に圧迫され、振り返ったり首を回した時に瞬間的にめまいや、フッと気が遠<なることがあります。
●診断
画像診断では、最も有用な検査法はMRIです。外来で簡単にできしかも脊髄、神経根、椎間板などがくっきりと撮影できるからです。脊髄などがどの程度圧迫され、変性しているかなどが診断できるようになり、最初に行うスクリーニングテストとして最も重要な検査法となってきました。
●治療
頚椎症と診断された場合、まず生活上、気をつけることは、頚部の安静に努め頚部の後屈による頚部痛、手足への放散痛がある場合は上を向く動作をやめることです。また、寝るときには枕は硬めで、低すぎず肩ロまでいれる方がよいようです。また重症の場合はポリネックカラーを首に装着してもらいます。
理学療法として温熱療法や頚椎牽引などがあります。温熱療法は局所の循環を改善させることにより浮腫を消退させ、筋肉の緊張の低下や鎮痛効果が期待できます。家庭では入浴や、お湯で暖めたアイスノンを頚部や肩にあてて治療をおこないます。頚椎牽引は首を引っ張るわけですが入院して持続的に行ったり、外来で短時間におこなったりします。これは安静やマッサージの効果があるといわれていますが、時に牽引により症状が増悪することがあり、この時には直ちに中止します。薬物療法として消炎鎮痛剤や筋肉の緊張をとる薬やビタミン剤などを投与します。
以上の治療を行っても脊髄や神経根を圧迫する症状が強い場合は手術をおこないます。
手術には前方からと後方からの方法があります。いずれも手術用顕微鏡を用いて行います。
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